2025/6/20

エクセルROUNDDOWN / ROUNDUP関数の使い方: 数値の切り捨て/切り上げ

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はじめに

エクセルのROUNDDOWN / ROUNDUP関数は、 数値計算のときにしばしば使用される関数の1つです。

ここでは、ROUNDDOWN / ROUNDUP関数の

  • 基本機能・使い方
  • 注意事項
  • 関連する関数
  • 使用例、応用法

について取り扱います。

基本機能・使い方

ROUNDDOWN / ROUNDUP関数は、 切り上げ / 切り捨てることで、数値の桁数を減らす関数 です。

fxROUNDDOWN / ROUNDUP関数
ROUNDDOWN ( 数値, 桁数)
ROUNDUP ( 数値, 桁数)

指定した 桁数 になるように 数値 を切り捨てる / 切り上げる。 桁数 は、小数部分の桁数を意味する
1で小数部分が1桁の数値になる。 0で整数になる。 負の値で小数点以上の整数部分の桁も指定可能 )。

数値
: 必須
B1
丸め処理を行う数値。
桁数
: 必須
D3
丸め処理後の小数部分の桁数。

注意事項

意図した結果にならない場合の原因・対策、 について解説します。

うまく動作しないときの原因と対策

ROUNDDOWN / ROUNDUP関数がうまく動作しない場合、 以下のような原因が考えられます。

  • 想定通りに 切り捨て / 切り上げ されないとき:
    • 指定している数値の、小数部分が隠れている※。
      対策:数値の小数部分の桁数表示を(小数第15位程度まで)増やして、確認する。

※ 数値計算では誤差が生じる可能性がある

エクセルの仕様上、 小数の計算で誤差が生じることがあります (1)
これは、 表示する桁数を増やさないと気づきにくい ことが多いです。
単純な計算であっても、
表示されている数値と実際に処理される数値に、
差異がある可能性があります。

ROUND関数で適切に小数部分を丸めることで、計算誤差を軽減できます
(例を参照)。

小数をすべて整数にして、計算後に小数に戻す方法でも、計算誤差を減らせます。

関連する関数

ROUNDDOWN / ROUNDUP関数と似た機能を持つ関数には、以下があります。

  • ROUNDグループ
    • ROUND関数: 四捨五入して指定した桁に丸める(桁指定が必須)。
  • 特定用途グループ
    • TRUNC関数:指定した桁で切り捨てる(桁指定が必須でない)。
    • INT関数: 整数化する。正の値は小数点以下を切り捨て、負の数は切り上げ。
  • 基準値の倍数(5や10などのきりの良い値)グループ
    • MROUND関数: 基準値の倍数の近い方に丸める。
    • FLOOR / CEILING関数: 基準値の倍数に切り下げる / 切り上げる。
    • FLOOR.MATH / CEILING.MATH関数: FLOOR / CEILING の強化版。負の数やMode指定が可能。

使用例、応用例

ROUNDDOWN関数の使用例・応用例として、以下のパターンを紹介します。

  • 条件分岐処理後に小数点以下を切り捨て:IF関数との組合せ。

条件分岐処理後に小数点以下を切り捨て

IF関数を使った処理の中に、ROUNDDOWN関数を組み込むことで、 条件分岐を使った計算 + 数値の桁の切り捨て を実現できます。

ここでは、 分類ごとに数値に掛ける数を分岐させ、 小数点以下を切り捨てて整数化する例を示します。

関数の構成

=IF( 条件A ,
  ROUNDDOWN( 条件Aのときの数値計算 , 0),
  ROUNDDOWN( その他のときの数値計算 , 0)
)


【数値計算に誤差が生じている例】
ABCDEF
1🟡計算誤差が発生✅丸め処理で誤差を軽減
2数値:0.5数値:0.5
3
4切り捨て:0.4切り捨て:0.5
5(小数第一位まで残す)(小数第一位まで残す)

ABCDEFGHIJ
1分類価格税率
2A10010税率の算出条件
3A20020Aのとき:0.1倍(小数点以下切り捨て)
4B1008その他0.08倍(小数点以下切り捨て)
5B20016
6B30024