エクセルでエラー値(#div/0)を除く条件付きで統計値(平均値など)を出す方法【コピペ用テンプレートあり】

はじめに
エクセルで AVERAGE
などの統計値を算出する関数の参照セル中に、 #div/0!
や #N/A
などのエラー値が含まれている場合、
このような場合、 AGGREGATE
関数を使用することで、エラー値を無視して統計値を算出できます。
下にサンプルのセルデータがあるので、
使用例
以下の 全セルをコピー
ボタンをクリックし、エクセルの A1
セルに貼り付けると、 H3
セルに平均値(下記の場合 19
)が算出されます。
A
, C
, E
列のデータを書き換え、 H3
セル中の参照セルを書き換えることで、
関数の詳細
AGGREGATE
関数は、 AVERAGE
, COUNT
, MAX
などの関数の代わりに使用できます(オプションで機能を切り替え)。
集計方法
, オプション
, 配列
, 順位 / 配列2
, ... )集計方法
で指定した集計値(統計値)を算出する。
配列
のデータを使って算出されるが、
オプション
によって無視(除外)する項目を指定できる。
配列2
, 配列3
, ... を追加することで、
計算に用いるデータを増やすことができる(最大 配列253
)。
集計方法
「算出する集計値」を指定する数値(1~19)。
数値 | 算出する集計値 | 第4引数 (順位 / 配列2 ) で設定される値 |
---|---|---|
1 | 平均値 | 集計値の算出に使用する数値データ(追加分) |
2 | 数値の個数 | |
3 | セルの個数(空白以外) | |
4 | 最大値 | |
5 | 最小値 | |
6 | 積 | |
7 | 標本標準偏差 | |
8 | 母標準偏差 | |
9 | 合計 | |
10 | 標本分散 | |
11 | 母分散 | |
12 | 中央値 | |
13 | 最頻値 | |
14 | k番目に大きい値 | k (順位) |
15 | k番目に小さい値 | |
16 | 百分位値(パーセンタイル) | 割合 |
17 | 四分位値(クォータイル) | 順位 |
18 | 百分位値(パーセンタイル)(範囲外) | 割合 |
19 | 四分位値(クォータイル)(範囲外) | 値, 有効桁数 |
オプション
「無視するデータの項目」を指定する数値(0~7)。
数値 | 無視する項目 |
---|---|
0 | ネストされた SUBTOTAL 関数とAGGREGATE 関数 |
1 | 非表示の行、ネストされた SUBTOTAL 関数と AGGREGATE 関数 |
2 | エラー値、ネストされた SUBTOTAL 関数と AGGREGATE 関数 |
3 | 非表示の行、エラー値、ネストされた SUBTOTAL 関数と AGGREGATE 関数 |
4 | - |
5 | 非表示の行 |
6 | エラー値 |
7 | 非表示の行とエラー値 |
配列
順位 / 配列2
, ... または集計値の算出に必要なパラメータ(
集計方法
= 14~19のとき)。AVERAGE関数は離れたセルも同時に選択できる
エラーのあるセルを含む、統計値の計算では
AVERAGEIF
関数などのIF
の付いた関数を使用する方法もあります。しかしこれらは、離れたとびとびのセルを同時に選択できません。
そんなときにAGGREGATE
関数であれば、役立ちます。
AGGREGATE関数と他の関数との対応表
以下の対応表に従って、 AGGREGATE
関数に置き換えることで、
統計値 | 統計値を算出する関数 | AGGREGATE 関数 | 第1引数の値 |
---|---|---|---|
平均値 | AVERAGE(参照セル範囲) | AGGREGATE(1,6,参照セル範囲) | 1 |
数値の個数 | COUNT(参照セル範囲) | AGGREGATE(2,6,参照セル範囲) | 2 |
セルの個数(空白以外) | COUNTA(参照セル範囲) | AGGREGATE(3,6,参照セル範囲) | 3 |
最大値 | MAX(参照セル範囲) | AGGREGATE(4,6,参照セル範囲) | 4 |
最小値 | MIN(参照セル範囲) | AGGREGATE(5,6,参照セル範囲) | 5 |
積 | PRODUCT(参照セル範囲) | AGGREGATE(6,6,参照セル範囲) | 6 |
標本標準偏差 | STDEV.S(参照セル範囲) | AGGREGATE(7,6,参照セル範囲) | 7 |
母標準偏差 | STDEV.P(参照セル範囲) | AGGREGATE(8,6, 参照セル範囲) | 8 |
合計 | SUM(参照セル範囲) | AGGREGATE(9,6,参照セル範囲) | 9 |
標本分散 | VAR.S(参照セル範囲) | AGGREGATE(10,6,参照セル範囲) | 10 |
母分散 | VAR.P(参照セル範囲) | AGGREGATE(11,6,参照セル範囲) | 11 |
中央値 | MEDIAN(参照セル範囲) | AGGREGATE(12,6,参照セル範囲) | 12 |
最頻値 | MODE.SINGLE(参照セル範囲) | AGGREGATE(13,6,参照セル範囲) | 13 |
k番目に大きい値 | LARGE(参照セル範囲, k) | AGGREGATE(14,6,参照セル範囲, k) | 14 |
k番目に小さい値 | SMALL(参照セル範囲, k) | AGGREGATE(15,6,参照セル範囲, k) | 15 |
百分位値(パーセンタイル) | PERCENTILE.INC(参照セル範囲, 割合) | AGGREGATE(16,6,参照セル範囲, 割合) | 16 |
四分位値(クォータイル) | QUARTILE.INC(参照セル範囲, 順位) | AGGREGATE(17,6,参照セル範囲, 順位) | 17 |
百分位値(パーセンタイル)(範囲外) | PERCENTILE.EXC(参照セル範囲, 割合) | AGGREGATE(18,6,参照セル範囲, 割合) | 18 |
四分位値(クォータイル)(範囲外) | QUARTILE.EXC(参照セル範囲, 値, 有効桁数) | AGGREGATE(19,6,参照セル範囲, 値, 有効桁数) | 19 |